鏡像スピーカーによるスマートフォン屋内位置認識システム

屋内位置認識における問題点の1つは、新たな機材導入による(労力、財政的)設置コストである。 本研究では、壁や床からの反射波を積極的に活用することでこの問題の解決を試みる。反射体に対し実スピーカと対称な位置に仮想的なスピーカ(鏡像スピーカ)を想定し、反射波を鏡像スピーカから発信されたと考えることで音源数を増やすことができる。これらの複数スピーカを用いた多辺測量(multi-lateration)により3次元測位が可能となる。 スマートフォンを用いた実験により、測位誤差の90th percentile値が5cm未満となることを確認した。提案手法は、利用可能なスピーカ数が少なく反射波が発生しやすい環境(例えば、オフィスビル内の廊下を対象とした訪問者ナビゲーションなど)での展開が期待される。